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動物病院における院内マネジメント

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動物病院における院内マネジメント

『ベッツワンプレス 2012秋号(Vol.32)』掲載分

『ベッツワンプレス 2012秋号(Vol.32)』
さくら動物病院 マネージャー/大阪ペピイ動物看護専門学校講師 牧田 明美

近年、長引く不況の影響でその重要性が再認識されたため、マネジメントに関する本が数多く出版されています。その中でも沢山取り上げられているテーマが『人材育成』です。動物医療の現場でも人材のマネジメントに力を入れる病院が増えてきましたが、「育てた人が一人前になったら辞めて行く・・・」、「ゆとり世代だから仕方がないか・・・」、「今時の子は難しい・・・」といった不安を抱えている病院も多いのではないでしょうか。貴院はいかがでしょうか?
個々の病院の現状を見つめ、組織発展のための新たな人材育成の方向性を真剣に考えましょう。

【自院の現状を知りましょう】
院内マネジメントで確認しておきたい3つのポイント

1. 目指すゴールは同じですか?
各病院には「理念」があります。理念は言い換えると『ゴール』です。このゴールを、スタッフ全員が「同じ意味で認識」をしているでしょうか?多くの院長やリーダースタッフは「そんなこと教えなくても壁に貼っている理念を読めばわかるだろう」と感じるかも知れません。院長・ベテラン獣医師・新人獣医師・ベテラン看護師・新人看護師、それぞれに生まれも育ちも違い、物事の考え方や理解の仕方もバラバラです。「わかっているだろう」の推測だけでは同じゴールに向かっていない可能性もあります。全員が互いに信頼しあい同じ考えや行動を行う為には、コミュニケーションを取りゴールの確認をすることが大切です。

2. 院内教育システムは整っていますか?
新人スタッフを病院に迎えた時の指導の仕方を決めていますか?「理念」や「院内業務」等を正しく伝達する手段は整っていますか?先輩スタッフが個々の経験を頼りに指導している病院も多いのではないでしょうか。この指導方法では「教える人」と「教わる人」により学びの理解度や定着率の差が出てきます。チーム医療を実現させるには、院内での行動をひとつひとつ分かりやすく表現(見える化)したマニュアルがあり、それを正確に伝える能力を持つスタッフがいると院内教育がスムーズに行えます。

3. 院内コミュニケーションは良好ですか?
院内の雰囲気は良好でしょうか?飼い主様は病院の雰囲気をとてもよくご覧になっています。院内のコミュニケーションが良好であれば、そのまま良い雰囲気が院内業務にも影響し飼い主様にも伝わるのです。大人数または少人数、スタッフ同士または飼い主様と、院内業務におけるあらゆる場面で良好なコミュニケーションを取ることができれば、飼い主様満足度を向上させることにもつながります。

【新たな人材育成の方向性】
成功する院内マネジメント3つの方法

1. 院内マニュアルを作る
院内マニュアルとは各業務をどのスタッフが行っても同じように行えるようにする為の大切なツールです。もし作成をしていない場合は、行動分析学を元に院内マニュアルを作成すると良いでしょう。行動分析学とは人の行動の予測と制御を可能にする一種の心理学です。代表的な手法として優秀なスタッフの行動を細かく文章に書き出し、それを誰が見てもわかるような表現で文章化してマニュアルにする方法があります。これが、ちまたでよく言われる「見える化」するという作業です。人には物事が出来ない理由が2つあります。1つ目には「やり方がわからない」2つ目には「やり方はわかるけれど続け方がわからない」です。作業効率が悪いことを頭ごなしに叱るのではなく、スタッフが「やり方がわからないから出来ない」のか、また「続け方がわからないから出来ない」のかを見極めましょう。その原因によって個々に指導する方法を変える必要も出てきます。「やり方がわからないから出来ない」スタッフには、院内マニュアルをもとに指導するとよいでしょう。

2. コミュニケーション力を磨く
景気が良い時には、あまり会話力やコミュニケーション力について取り上げられることはありませんでした。そのため、景気の良い時代を経験した世代は「モチベーションを高める組織作り」や「コミュニケーション力の向上」等のキーワードに対して苦手意識を持つ方が多いように思います。日本が好景気だった頃は誰もが自然と希望を持つことが出来ました。そんな私達の「あの時はこうだった」「先輩を見て学んだものだ」等の価値観は、不景気な時代しか知らない今の世代には通用しません。若手スタッフは、絶対的な立場の院長やベテランスタッフからそのような共有しづらい価値観を押し付けられると、それが苦痛となり最終的には病院を辞めてしまう可能性もあります。若い世代のコミュニケーション教育にも目を向けることは大切ですが、その上の世代も含め病院全体で共通の価値観が持てるよう「院内コミュニケーション」について学ぶ必要があります。

3. 自院で教育をするスタッフを育てる!
院長がトップダウンでスタッフ指導をすることも有効的ですが、様々な職務を抱える院長には、院内マネジメントに十分な時間をかけることは物理的に不可能だと思います。そこで院内で指導が出来るリーダースタッフを育成することをお勧めします。院内研修の講師を外部ではなく自院のスタッフに任せることは、自院の実情や理念に合った研修ができます。またスタッフの帰属意識を高めることなどの様々なメリットがあります。研修を受講するスタッフの成長だけでなく、研修を行うリーダースタッフ自身の成長も期待できます。

これらのことを心がけて実践することにより院内マネジメントの第一歩が踏み出せます。何事も急激に大きく変わろうとすると反発が起こります。自院で取り入れられるポイントからスモールステップを作り院内マネジメントを実践していきましょう。

社団法人 行動科学マネジメント研究所認定
行動科学マネジメントホルダー
一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントファシリテーター
大阪ペピイ動物看護専門学校講師
ペットウェルネス明賢Corp 主宰
牧田明美
カナダ・アメリカにてドッグトレーニング・ペットマッサージを学ぶ。1998 年から飼い主向けのプライベートレッスンやグループレッスンを行い、ペット関連業者向けのセミナーを開催。2006 年から「さくら動物病院」(大阪府豊中市)のスタッフ指導役となり現在、同動物病院マネージャー。2010 年、大阪ペピイ動物看護専門学校講師に就任。「ペットマッサージ」「院内コミュニケーション指導セミナー」を担当する。
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