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ドクターズアドバイスペピイ2012秋冬号
しつけ教室「ドルチェ・カーネ中塚」運営。これまで指導してきた犬は約4500頭。ペピイ動物看護学校講師、神戸市動物愛護推進員を務める。JAHA(日本動物病院福祉協会)認定ドッグトレーニングインストラクター。JKC(ジャパンケンネルクラブ)公認訓練士。
愛犬が言葉を話せたらもっと分かりあえるのに、そんなふうに思うことありますよね。犬はカーミングシグナルとよばれるしぐさや行動で、犬同士や人に対しても気持ちを伝えるサインを送っています。同じしぐさでも人と犬では違う意味を持つ場合もあり、意味を取り違えていると、「そうじゃないんだけどなぁ。」と愛犬に思われているかもしれません。ふだんの愛犬のしぐさや行動には、どんな意味があるのか考えてみましょう。
カーミングシグナルとは?
気持ちを切りかえる、自分を落ち着かせる、相手に自分の気持ちを伝えることで、無用に争うことを避け、お互いがうまくいくためのサインです。
(今回取り上げている行動にはカーミングシグナルではないものも含まれています。)
もっとよく聴こう、もっとよく見ようと思っています。またこのしぐさをすると、飼い主さんが「かわいい!」と喜んでくれることを覚えて、するようになる場合もあります。
犬は集団で生きていく動物なので仲間の気持ちを感じ取って、おだやかに過ごそうとします。この場合は、ふだんと様子の違う飼い主さんをなだめようとしたのでしょう。
犬が人の感情を理解しているかどうかは解明されていませんが、科学的な根拠はなくてもいっしょに暮らしていると、犬のやさしさを感じることはよくありますよね。悲しんでいる気持ちをくみ取って、なぐさめてくれているのだと思いたいですね。
基本的には犬は寄り添うのが好きな動物なので、飼い主さんに体の一部が触れているだけで、安心感が得られて落ち着けるのでしょう。相手が飼い主さんの場合は遠慮して少しだけくっついているというわけではありません。
ただあまりよく知らない人に対してこの行動をする場合は、「この人は仲良くしてくれるのかな?」と様子を見ながら、いざという時にはすぐに逃げられるようにしています。
「大好き」という気持ちの表れです。口もとをなめる場合は、子犬が親犬からエサをもらう時の習性が残っていて「食べ物がほしい」という理由のこともあります。
犬とのキスは控えましょう
人獣共通感染症(動物から人にうつる病気)の心配もありますので、愛犬とのキスや口移しに食べ物を与えることは避けましょう。
「もうやめて欲しい」と思っている時に出てしまうしぐさ。相手に落ち着いて欲しいと思っている時や、自分を落ち着かせたい時にします。この場合は飼い主さんに「もう怒らないで」と伝えているのでしょう。頻繁にするようだったら、不安や緊張、ストレスを感じているサインです。もちろん眠い時にもします。
人で例えるならこんなしぐさ?
●怒られた時に頭をかきながら笑ってしまう
飼い主さんに怒られている時や、ほかの犬とすれ違うときなどに、相手から目をそらすのは「敵意はありません」と知らせています。
人で例えるならこんなしぐさ?
●先生にあてられないように目をそらす生徒
●街でキャッチセールスと目を合わさないようにする様子
集中や興奮していたことが終わった時に体を振って、気分を切り替える時にするしぐさです。毛並みを整えたい時にもしますので、この場合はブラッシングで変えられた毛並みを自分好みにしたかったのでしょうね。
犬には嫌がらせという気持ちはないので、わざとではありません。トイレの失敗の原因は主にひとりぼっちになった緊張感からだと言われています。失敗した時に、愛犬に声をかけると「かまってもらえた」と思って、またしてしまうことがあるので、静かに片付けるようにしましょう。
今までしなかったシャンプーのニオイや、体についた水分を取りたくて、ころげまわっているのではないでしょうか。またはシャンプーの間、大人しく我慢していたので、ストレスから解放されて「やっと終わった!」という気持ちを表しているのでしょう。
退屈しすぎると何もない壁に虫などがいると想定して、一人遊びで吠えたりすることがあります。犬の聴力は人の4倍とも言われていますので、人には聞こえていない壁の向こうの音に反応している可能性もあります。犬の能力にはまだまだ解明されていないことも多いので、もしかすると人にはわからない気配を感じているのかもしれませんね。
いくつか原因はありますが、なかには心配なケースが。
犬が頻繁に足をなめるのは、ストレスが一番大きな原因だと言われています。くつろいでいる時になめることもありますが、以前に足をなめた時の刺激が気持ちよかったと記憶していて、退屈した時にこの行動をすることがあります。足をなめ続けると炎症や湿疹、ひどい場合は化膿してしまうことがあるので、原因を取り除いてあげましょう。
例にあげたしぐさや行動は、代表的な解釈です。何かを伝えようとしている時には、複数のサインを見せていることが多いので、「このしぐさをしているから、すぐこうしてあげなきゃ!」と一つだけを見て判断せず、よく観察していろいろなサインを見つけてください。愛犬をよく観察して、神経質になりすぎず、また鈍感すぎもしない、ゆったりした気持ちで愛犬の気持ちを受け止めてあげてください。